建物面積の計算ツール
各階の床面積を足し合わせて、建物全体の面積を計算します。延床面積、賃貸面積、使用面積の違いも整理します。

建物面積の計算ツール

延床、賃貸、使用の3つの面積
延床面積は外壁の外側の面まで測り、囲われた空間すべて——耐力壁、シャフト、階段室、エレベーターシャフト——を含みます。建物面積の計算ツールが出すのはたいていこの数字です。
賃貸面積は、事業用の賃貸で使われる面積で、テナントの専有部に共用部(ロビー、廊下、共用トイレ)の按分を足したものです。ふつう延床面積の 85〜92% になります。
使用面積はテナントの専有部だけで、外壁の内側の面まで測ります。実際に占有する部分です。
複数階と不整形な外形
複数階の建物では階ごとに計算します。60 × 40 ft の外形が3層なら 60 × 40 × 3 = 延床 7,200 ft²(668.90 m²)。地下と小屋裏は、仕上げられ、条件を満たす空調空間になっている場合にだけ数えます。
不整形な外形(L 字、中庭のある建物、増築部分)は長方形に分ける必要があります。上のマルチエリア計算ツールで、長方形の区画ごとに1つずつ追加してください。
延床、正味、使用
建物の面積にはいくつかの定義があり、どれが正しいかは何を計算しているかで決まります。同じ建物でも定義の違いで 15〜30% の差が出ます。
延床面積:全階の外壁の内側にあるすべて。壁、柱、階段、シャフトを含みます。建設費の総額を出すときに使います。
正味使用面積:延床面積から壁、柱、シャフト、エレベーターシャフトを引いたもの。ふつう延床の 80〜85%。
賃貸面積:事業用の賃貸で使われる基準。延床からエレベーターシャフトと階段室を引きますが、建物の共用部は含みます。ふつう延床の 90〜95%。
レンタブル比:正味使用面積 ÷ 延床面積。現代のオフィスビルは 80〜85% を狙い、古いビルでは 70〜75% にとどまることもあります。
最後まで計算した例:延床 10,000 ft²(929.03 m²)のオフィスビルなら、正味使用面積がおよそ 8,500 ft²(789.68 m²)、賃貸面積が 9,200 ft²(854.71 m²)、レンタブル比 85% というのが典型です。
複数階の建物と合計面積
建物の合計面積は全階の合計であって、建築面積そのものではありません。階ごとに、その階の外形で計算します。
平屋:建築面積 = 合計 ft²。
同じ大きさの2層:建築面積 × 2 = 合計 ft²(各階が同一だという前提で、実際にはまれです)。
階ごとに面積が違う複数階:階ごとに計算します。1階が大きく上階が小さい建物(店舗)や、上階が大きく1階がピロティの建物(集合住宅)は珍しくありません。
ロフトと中2階:階全体ではなく、実際の床面積を数えます。
地下:暖房または冷房が入っていれば延床に含め、そうでなければ除きます。
設備階と塔屋:囲われて空調されていれば延床に含めます。
代表的な建物の建築面積
物置や小規模な事業用の建物は決まった寸法で作られます。標準的な間隔で建て、標準的な小屋組で覆うからです。寸法ごとの建築面積を知っていれば、必要な土間コンクリートと屋根面積が分かり、さらに大事なことに、手続きが必要かどうかが分かります。
手続きの基準は、買う前に測っておく理由そのものです。米国の多くの自治体は 100 ft² あるいは 120 ft² 未満の物置を許可の対象外にしています。10 × 10 や 8 × 12 の物置が人気なのはそのためで、どちらも境目のすぐ下に収まります。ただし数字は自治体で違い、200 ft² のところもあります。
最後まで計算した例——独立した 24 × 24 ft のガレージ。建築面積は 576 ft²(53.51 m²)。厚さ 4 インチの土間なら 576 × 0.333 ÷ 27 = 7.11 立方ヤード(5.44 m³)のコンクリート。6/12(5寸)勾配の屋根なら屋根面は 576 × 1.118 = 644 ft²(59.83 m²)、ロス前で 6.4 square です。
小屋裏や2階があるなら、建築面積は床面積ではありません。30 × 40 の柱構造の建物は建築面積 1,200 ft² ですが、平面の半分にロフトを設ければ床面積は 1,800 ft² になります。この2つは分けておいてください。建築面積は土間、基礎、建ぺい率を支配し、床面積は内装を支配します。
建ぺい率は最初に確認しておく価値があります。多くの都市計画は敷地のうち建物で覆える割合を制限しているので、小さな敷地の大きな作業場は、離隔をすべて満たしていても率を超えることがあります。新しい建物の建築面積を既存の建物の建築面積に足し、敷地面積と比べてから発注してください。
| 建物の寸法 | 建築面積 | 典型的な用途 | 手続きの目安 |
|---|---|---|---|
| 8 × 10 ft | 80 ft²(7.43 m²) | 庭の物置 | 米国ではふつう手続き不要の範囲 |
| 10 × 12 ft | 120 ft²(11.15 m²) | 大きな物置、小さな事務所 | 米国の 120 ft² の線上またはその近く |
| 12 × 20 ft | 240 ft²(22.30 m²) | 1台用ガレージ、作業場 | ふつう手続きが必要 |
| 20 × 20 ft | 400 ft²(37.16 m²) | 2台用ガレージ | 手続きが必要 |
| 24 × 24 ft | 576 ft²(53.51 m²) | 収納付き2台用ガレージ | 手続きが必要 |
| 30 × 40 ft | 1,200 ft²(111.48 m²) | 柱構造の建物、小さな工場 | 手続きと構造計算がふつう必要 |
| 40 × 60 ft | 2,400 ft²(222.97 m²) | 小規模事業用、機械庫 | 手続きと構造計算が必要 |
用途別の建設費(平方フィート単価)
建設費は用途、材料、地域で変わります。以下は米国市場の目安です。
戸建て住宅(新築):1 ft² あたり 150〜300 ドル(NAHB 2024 の平均)。
上位の注文住宅:1 ft² あたり 300〜600 ドル以上。
集合住宅(分譲、賃貸):1 ft² あたり 130〜250 ドル。
小規模な事業用(事務所、店舗):1 ft² あたり 200〜400 ドル。
医療施設:1 ft² あたり 300〜600 ドル(設備が多いため)。
工場・倉庫:1 ft² あたり 80〜200 ドル(内装が少ないため)。
学校:1 ft² あたり 250〜500 ドル(地域と設計によります)。
病院:1 ft² あたり 500〜1,000 ドル以上(設備と適合要件で最も高価)。
これらはいずれも土地代、造成、行政手数料を含みません。その平方フィート単価に基礎、設備、内装が入っているのか、それとも躯体だけなのかを必ず確かめてください。
日本では建築面積・延床面積・建ぺい率・容積率で考える
このページの面積は平方フィートで、基準は BOMA と ANSI のものです。日本では建物の面積を平方メートルで数え、事業用賃貸で「賃貸面積と使用面積」に相当する役割は共用部の按分(レンタブル比)が担います。換算は正確で、1 ft² = 0.09290304 m²。
表の建築面積を換算すると、80 ft² = 7.43 m²、120 ft² = 11.15 m²、240 ft² = 22.30 m²、400 ft² = 37.16 m²、576 ft² = 53.51 m²、1,200 ft² = 111.48 m²、2,400 ft² = 222.97 m²。例に出したオフィスビル 10,000 ft² は 929.03 m² です。
手続きの基準は日本ではまったく違う形をしています。建築基準法第6条第1項は、2以上の階数を有するか延べ面積が 200 m²(2,152.8 ft²)を超える建築物、そして都市計画区域内の建築物について確認申請を求めています。つまり都市計画区域の中では、小さな物置の新築でも確認申請の対象になり得ます。米国の「100 ft² 未満なら不要」という発想はここでは通りません。
例外は範囲が限られています。同法第6条第2項は、防火地域および準防火地域の外で、増築・改築・移転にかかる部分の床面積の合計が 10 m²(107.64 ft²)以内であるときに限り、第1項を適用しないと定めています。新築ではなく増築等であること、防火地域・準防火地域の外であること——この2つの条件が両方必要です。
敷地に対する制限は、建ぺい率(建築面積 ÷ 敷地面積)と容積率(延べ面積 ÷ 敷地面積)で、いずれも用途地域ごとに定められています。新しい建物の建築面積を既存の建物の建築面積に足し、その合計を敷地面積と比べてください。比率の計算は単位に左右されないので、平方フィートでも平方メートルでも同じ答えになります。
Pro tips
事業用には BOMA の基準を
BOMA(Building Owners and Managers Association)はオフィス面積の測定基準を出しています。金融機関や仲介はこの基準に沿った数字を求めます。
住宅には ANSI Z765 を
住宅では ANSI Z765 が、何を仕上げられた空調空間として数えるかを定めます。ガレージ、暖房のないポーチ、未仕上げの地下は数えません。
外側の面まで測る
延床面積では外壁の外側の面まで測ります。壁の厚みは含みます。厚さ 6 インチの壁を持つ 60 × 40 ft の家なら、1階あたりの延床は 60.5 × 40.5 ft になります。
吹き抜けは1回だけ数える
複数階にまたがるアトリウムや吹き抜けは、いちばん下の階でだけ数えます。その上の空間は上階の床面積になりません。