平方フィート単価の賃料計算ツール
米国では事業用の賃料を年あたりの平方フィート単価で示すのが一般的です。契約面積に単価を掛ければ年額賃料、12 で割れば月額になります。2,300 ft² を 1 ft² あたり 32 ドルで借りれば年額 73,600 ドル、月額 6,133 ドルです。

平方フィート単価の賃料計算ツール

契約面積、使用面積、共用部負担率
事業用賃貸でいちばん取り違えられるのが「実際に何に対して払っているのか」です。使用面積は区画の内側、つまり机を置ける場所。契約面積はそこに、ロビー、廊下、共用トイレ、パイプシャフトといった建物の共用部の持ち分を足したものです。
この2つの差が共用部負担率(英語では load factor)です。パーセントで示され、契約面積 = 使用面積 ×(1 + 負担率)になります。使用面積 2,000 ft² の区画で負担率が 15% なら、請求は契約面積 2,300 平方フィートとして立ち、家具を置けない 300 平方フィートにも賃料を払うことになります。
負担率はふつう 10% から 20% のあいだです。1テナントの建物ではほぼゼロのこともあり、広いロビーと長い廊下を持つ多テナントの高層ビルでは 20% を超えます。だからチラシの単価だけで2件を比べると判断を誤ります。使用面積あたりで見れば、負担率 12% の 30 ドルは、負担率 22% の 28 ドルより安いのです。
最後まで計算した比較——物件A、使用面積 2,000 ft²、単価 30 ドル、負担率 12%。契約面積は 2,240 で、年額賃料 67,200 ドル、使用面積 1 ft² あたり 33.60 ドル。物件B、使用面積 2,000 ft²、単価 28 ドル、負担率 22%。契約面積は 2,440 で、年額賃料 68,320 ドル、使用面積 1 ft² あたり 34.16 ドル。安く見えた方が実は高い、というわけです。
| 使用 ft² | 負担率 | 契約 ft² | 単価 / ft² / 年 | 年額賃料 | 月額賃料 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1,000 | 10% | 1,100 | 28 ドル | 30,800 ドル | 2,567 ドル |
| 1,500 | 12% | 1,680 | 30 ドル | 50,400 ドル | 4,200 ドル |
| 2,000 | 15% | 2,300 | 32 ドル | 73,600 ドル | 6,133 ドル |
| 3,000 | 15% | 3,450 | 35 ドル | 120,750 ドル | 10,063 ドル |
| 5,000 | 18% | 5,900 | 38 ドル | 224,200 ドル | 18,683 ドル |
グロス、修正グロス、トリプルネット
単価が同じ2つの条件でも、契約の組み立て方によって支払う総額はまったく違います。そしてその組み立ては、たいてい条件書の1行に収まっています。
グロス賃貸は運営費を単価に含みます。払うのは1つの数字だけで、税金・保険・共用部の維持は貸主が負担します。予算が立てやすく、たいていチラシの単価はいちばん高くなります。
トリプルネット——NNN と書かれます——はその3つを外します。示された単価は場所そのものだけで、税金・保険・共用部の維持費は別に、ふつう平方フィート単価で払います。これがふつう 1 ft² あたり 5〜12 ドル上乗せされ、入居コスト全体の3分の1に達することもあります。22 ドル NNN と 32 ドル グロスが同じ支払いになることは珍しくありません。
修正グロスはその中間で、一部が含まれ、一部が借主に移ります。標準的な分け方がないので、修正グロスどうしを比べる唯一の方法は、翌1年間の入居コスト総額を平方フィート単価で見積もってもらうことです。
どの形式であれ、比較は「使用面積 1 平方フィートあたりの年間総コスト」で行ってください。この1つの数字が、単価と負担率と費用構造を同じものさしに載せ、その場所が自社にとって実際いくらなのかを教えてくれます。
1人あたりの面積と区画の大きさの決め方
どれだけの面積が要るかを出すのが計算のもう半分で、それは平面図ではなく人数から始まります。
密度は働き方で大きく変わります。個室中心の伝統的なレイアウトなら1人あたり使用面積 200〜250 平方フィート。固定席のオープンオフィスなら 125〜175。フリーアドレスやハイブリッド勤務ならさらに下がり、ふつう 75〜125 で、しかも従業員数ではなく在席のピークで数えます。
最後まで計算した例——20 人のチームを、1人あたり使用面積 150 平方フィートのオープンレイアウトで収めるなら、使用面積はおよそ 3,000 平方フィート。負担率 15% なら契約面積 3,450 平方フィート、年 35 ドルなら年額 120,750 ドル、月額 10,063 ドル——運営費の前の数字です。
通路と共用部は1人あたりの指標の上に足してください。すでに含まれていると考えてはいけません。会議室、給湯コーナー、受付でふつう作業席の 20〜30% が上乗せされ、ハイブリッドのオフィスでは減るより増える傾向にあります。場所の目的が、机を並べることから一緒に働くことに移るからです。
日本ではオフィス賃料を坪単価・月額で言う
このページの考え方はすべて米国の事業用賃貸市場のものです。平方フィート、年額、ドル。日本ではオフィスや店舗の賃料を「坪あたり月いくら」で示し、総額もふつう年額ではなく月額で示します。
面積の換算は正確です。1 ft² = 0.09290304 m²、1 坪 = 400/121 = 3.305785 m² = 35.583 ft²。上の主な数字なら、使用 2,000 ft² は 185.81 m²(56.21 坪)、契約 2,300 ft² は 213.68 m²(64.64 坪)、使用 3,000 ft² は 278.71 m²(84.31 坪)、契約 3,450 ft² は 320.52 m²(96.96 坪)です。
単価の換算は2段階で、両方をやる必要があります。まず面積の単位——平方フィート単価を平方メートル単価にするには 10.7639 を掛けます。年 32 ドル/ft² なら年 344.44 ドル/m²。坪単価にするなら 35.583 を掛けて年 1,138.66 ドル/坪。次に時間の単位で、12 で割ります。月 28.70 ドル/m²、あるいは月 94.89 ドル/坪。この2段階を取り違えると、12 倍の桁違いがそのまま入り込みます。
共用部負担率は日本にもあり、名前も役割もほぼ同じです。日本のオフィス市場は契約面積を「契約坪数」として示し、レンタブル比や共用部の按分の考え方はここで説明したものと同じです。契約の前に、請求がどの面積に対して立つのかを書面で確認してください。単位が変わっても質問は変わりません。
日本の条件書が必ず分けて書くもうひとつの項目が共益費(管理費)です。賃料とは別に坪あたり月額で課され、共用部の維持、警備、清掃、光熱に充てられます。役割としては NNN が借主に移す費目とちょうど対応するので、2つのビルを比べる前に足してください。そして、消費税、駐車場、そして敷金・礼金・保証金がどの数字に含まれているのかも合わせて確認しましょう。
Step-by-step measurement guide
単価がどの面積にかかるかを確かめる
貸主が示す単価は、実際に使える面積ではなく契約面積に対するものです。2つの物件を比べる前に、使用面積と契約面積の両方を出してもらってください。
年額か月額かを確かめる
米国市場の大半は「1 ft² あたり年いくら」で表示します。西海岸の一部や倉庫の契約など、月額で示す市場もあります。単価 3 ドルは、年額なら安く、月額なら高い数字です。
契約面積 × 単価
契約面積 2,300 平方フィートを 1 ft² あたり年 32 ドルで借りれば年額 73,600 ドル。12 で割って月額 6,133 ドルです。
運営費を足す
その条件がグロスかトリプルネットかを確認します。トリプルネットの単価には税金・保険・共用部の維持費が含まれず、これらはふつう 1 ft² あたり 5〜12 ドル上乗せされます。
Pro tips
面積は2つとも出してもらう
使用面積と契約面積、そして負担率を書面で受け取ってください。片方しか書かれていない資料はもう片方を隠しており、その差は毎月払うお金です。
年額か月額かで全部変わる
米国市場の大半は年あたりの平方フィート単価ですが、全部ではありません。比較の前に確認を。同じ数字が、答え次第で 12 倍違います。
使用面積あたりのコストで比べる
どの条件も「年間の入居コスト総額 ÷ 使用面積」に落としてください。この1つの数字が単価と負担率と費用構造をまとめます。
NNN の上乗せを見込む
トリプルネットでは税金・保険・共用部の維持費がふつう 1 ft² あたり 5〜12 ドル上乗せされます。チラシの見込みではなく、今年度の実額を出してもらってください。